2020-01-01から1年間の記事一覧

家に帰る

引っ越しから2週間が経った。 意を決してはじめた一人暮らしではあるけれどもまだ実感が分かず、洗濯機をまわしても、料理をしても、おままごとのような感覚が抜けない。休日に友人達が手伝いにきてくれたおかげもあって、日は短いながらもある程度片付けが…

夏のお弔い

夏が終わってしまった。 だましだまし訪れていた暑さや、張り付くような日差しも秋の空気の前ではひたすらに無力で、とうとう本当に終わってしまった。夏が似合わないわたしのまま、また瞬くような秋がきて気づけば冬になる。夏だけが季節のなかで明確な終わ…

新しい季節の名前

何かと自分に言い訳をして一日数回コンビニに出かける。外に出る理由がコンビニに行く以外にないのだから仕方がない。 今日は、日差しが夏なのに風は冷たくて随分心地のよい日だった。 季節がかっちりはまった完璧な日も好きだけれど、今日みたいなちょっと…

どこまでが今なのかわからなくなる

日記のはしっこみたいなものを書いたり消したりしていたら、 書きかけの日記が鮮度を失って、また違う日々が始まってしまうのを繰り返している。 日々には速度がある。 びよびよにのびた永遠の6月があると思えば、気づけば終わる3月がある。 そうやって毎日…

3月

「自分のことを好きになる」以外に人生の解決策がないことに気づいてしまった寒い春の日だった。ホームから見える青空がずいぶんきれいで、天気のいい日はいつもより澄んだ気持ちで死にたくなる。寒いと特に感度が過敏になっていろんなことが生死に終結して…

花にまみれて眠る。

布団カバーを買い換えた。 白地にピンクの花が散らばっているかわいいやつ。前のシーツは寝ている間に爪を引っ掻けてしまった箇所が徐々に裂けてしまってみっともないことになっていたので、ようやくといったところだった。 布欲が刺激されていたのか、別の…

公開処刑

こうやって、できなかったことを並べて誰に許しを得ようとしてるのだろう。 ここにあるのは、私が人として間違っているという要素それだけです。 自主的な公開処刑なんて誰が見るものか。私はこれからもずっと、私の形からも魂からも逃げることはできない。…

ユニットバスから

実家のお風呂に浸かりながら、いろんなことを考える。一人部屋のない私にとってお風呂場は唯一個を許される空間でもあった。一人入ったらぱんぱんの小さなバスタブに張られたお湯。髪や体を洗ったあとでまたお湯に浸かりなおす。タイル張りの床はとても冷え…

築100年のマンション

祖母の家は農家をしている。 木造瓦屋根の大きな一軒家と作業場、庭の奥に広がる畑とその脇にある竹林。最近家の近くにコンビニやら駅やらができたらしく、地価が上がって大変らしい。私がよく行っていた頃は坂の下の自動販売機が唯一の売店だったのに。 祖…

泣いてもどうにもならない

どうしても我慢ができなくて、電車や駅のホームで泣いてしまう。季節外れの暖かさが電車の中の空調をバグらせる。差し込んだ光は窓枠のかたちにそって四角く広がり、人の座っていない席を照らしている。私は、電車の進行方向に合わせて大きく広がっていく光…

いつか幸せになる人たちへ

なんにも続いたことがない私だけど、インターネットだけは小学生の頃からずっと続けている。Twitterは最たるもので、始めて10年くらいになるんだろうか。就活の苦しさに耐えかねて作ったこのアカウントも、もう7年の付き合いになる。一歩も動かず画面を片手…

おしまいが続く午後

今年はずいぶんと行動した年だったように思う。歯列矯正を始めた。 新卒から勤めていた会社を辞めた。 気になる展示や映画は一人でも行くようになった。まわりの人からしたら当たり前のことでも、 私からしたら、大きな進歩のある一年だった。徐々に並んでい…