公開処刑

こうやって、できなかったことを並べて誰に許しを得ようとしてるのだろう。
ここにあるのは、私が人として間違っているという要素それだけです。
自主的な公開処刑なんて誰が見るものか。私はこれからもずっと、私の形からも魂からも逃げることはできない。

得意なことが特にない人生だった。
何をやらせても人並みかそれ以下といった感じで、人に自慢できることもない。
頑張らないと何もかも平均点以下なのに、頑張ることをしなかったんだから当然の結果だ。

マイナスから始まっているから、走っても走っても0に近づくだけでプラスにはならないことがただただ悲しい。
親のお腹を痛めて、手をかけられて生まれたはずだろうに、私は私の手で光るかも知れなかった人生を台無しにしてしまった。

世間体だけは気にするから、その場だけの嘘をつく。短期的に形を整えてごまかして、人を騙し続けた結果が今だ。

私が通っていた中学校は地元柄随分荒れていたので、私でもそこそこの成績がとれた。理科の教科書にじゃばらにはさみこまれた化学反応の図式を眺めながら、テスト期間になったらこれを全部記憶しているんだろう、そのあとすぐに忘れちゃうんだろうと、25歳になった今もその時の思考の景色をよく思い出す。連続性がないのだ。全てが今をしのぐ手段で、未来の私への糧にならない。

学生時代数年続けていたアルバイトでも、何度もやっているはずの作業で始めてやるようなミスをしていた。
私よりあとに入った人に、なんでそんなミスをするのかと不思議がられた。
あんな簡単なこともできないのに、人並みの人生がほしいなんて羨むこと事態が間違っている。

私は怠け者なので、頑張らなくてもできることがひとつでいいからほしかった。
頑張っていない人間なんて一人もいないとは思うけどそれでも。