ごほうびをあげる

社会人になってからというもの、些細なことでも自分にごほうびをあげるようになってしまった。


今日は一度も先輩に怒られなかった、最低な気分だったけど化粧だけは落として寝た、ちゃんと遅刻しないで起きられた。


普通の人が普通にこなせていることを普通にこなすことが難しい。


私にとっての非の打ち所がない最高の一日は誰かにとっての日常なのだ。


そんな自分の程度の低さを恥ずかしいと思うのと同時に、よく頑張っているねと甘やかしたくなってしまう。


今日はちょっといいもの食べちゃおうかな、なんて思ってコンビニでスーパーカップじゃなくてハーゲンダッツのアイスを買ったり、似合うかわからない色のアイシャドウを興味本意で買って、案の定似合わなくてポーチの奥に押しやったり。


たまにだったらいいけれど、そんなことを日々続けていたら生活が困窮するに決まっている。


そんな日々を反省してちゃんとした大人にならないとな。と思っていた矢先、割りといい値段の服をひとめぼれで買ってしまった。


この年になるまでちゃんと毎日生きてたね。偉いね。のごほうびだからいいってことにしようと自分を納得させる。


私は本当に自分に甘い。


誕生日を迎えて齢でとうとうアラサーになった。
私が思ってる25歳の女性ってもっと大人だったんだけどな。現実の私はお風呂に入るのもままならない。

母は同い年の時に父とすでに同棲をしており、数年すれば私がおぎゃおぎゃと生まれていたというのに。


まぁでも仕方がない。


私は日ごとに歳をとっていく。
これからも、きっと隕石は私の頭にピンポイントで落ちてはこないし、地球も滅亡しないと思う。多分私より早く親は死ぬし、自分の中の「なにか」を変えない限りインターネットでめそめそするのもなおらないだろう。


でも、ずっと変わればいいのにとは思っている。


変わらなくちゃいけないなぁ、そんなことを思いながら変わらず歳をとったよ。