2021年でした

一人暮らしを始めて一年が経った。去年の始めに掲げた目標はひとつたりとも達成できなかった。結局こうなるんだろうけどまた来年の目標も性懲りもなく立ててしまうんだろうな。

実家のリビングは両親が長年吸っているセブンスターの煙で黄色くなっている。

毎日晩酌を欠かさない親とは違い、わたしと弟は何故か煙草も酒も体に合わないようで家族で顔を会わせても飲むのはお茶やジュースばかりだ。父は「年をとっても子供だな」と満足そうにその光景をみている。

母はわたしの好きなものを本当に全て記憶しており、パイナップルと芋のきんとんや松前漬など実家でしか食べられないごちそうがどんどんテーブルに運ばれ、今年最後の食卓を囲みながら人がつくってくれたおいしい食べものは幸せに分かりやすく直結するんだなと感じた。無尽蔵にでてくる食べ物とこたつ、実家が実家たる由縁はそこにあるのかもしれない。

ひとつ思うことといえば、家の変化が同じ時間軸で共有されなくなったことだろうか。テレビも冷蔵庫もわたしが知っているものではなく配置はそのままに配置はそのままに新しいものになっていた。来年にはキッチンも一式直そうとしているらしい。

ぼんやりしていたらあっという間に過ぎる日々だ。もうそんなことも言ってられない。少なくとも終わらせられないのであれば、続いていく人生を受け入れる必要がある。そんなこともまた年明けの慌ただしさにかまけて忘れてしまうんじゃないかと思う。