めでたしめでたしで終わればいいのに

毎日のように垂れ流しているのだけれど、私は仕事ができない。

相当できない。世界で一番仕事と言うものに向いていないのではないかというくらいできない。
それに加えてその事実を他人に悟られる事が死ぬほど恥ずかしいという最悪の自我も持ち合わせている。

私の上司は非常に良く仕事ができる。
歳が少ししか変わらない彼女から些細なミスを叱られるたびに、
自分が生きていていいのかよくわからなくなる。

彼女がよく使う言い回しの中に、
「ちゃんとして」
「普通に考えたらわかることだと思います。」
「もう既にやっているとは思いますが、、まさかやっていないわけないですよね?」
「当たり前のことですが」
というものがある。

私がちゃんとしてなくて、普通ではなくて、当たり前のことができないからこそ向けられる言葉達。
私のミスが重なれば結果的に被害を被るのは彼女なのだ。
他のチームに配属された同期はめきめきと仕事で成果を上げているというのに。

叱られている間に覚える根拠のない怒りとみじめな感情は同時に、
「私は今、彼女の時間を奪っている加害者なのだ。」という事実を際立たせる。

声を上げて自分を主張するくらいなら殴られる方がましだと思うタイプの人間だった。
常に自分は虐げられる方だからとその立場に慢心していたのかもしれない。

社会に出た今、
仕事のできない私は圧倒的加害者として存在している。

その事実に耐えられそうにない。
もう誰のことも傷つけたくない。

学生時代の友人とたまの休みにあうと、否が応でも
最近の仕事の話になる。

使えない上司がさ、生意気な後輩が、、
そんな話をわかるわかる!と聞き合う彼らと私の間にある圧倒的な違い。
へらへらと笑って話を合わせる。

どこでこんなに差が開いてしまったんだろうか。

「同じ場所に立っていたと思っていたのは私だけなのではないか。」
脳裏によぎる声を聞こえないふりでごまかす。