夏が来るけど

今年24になるというのにからだの中身の年齢は20そこらで止まったままだ。

しょうもない大学をぽろっと卒業してもう1年以上になる。あの冬の卒業旅行の記憶がもうそんな前だなんて。ということはもう私は社会人2年目になっているんだな、と時間軸を整理しないと自分の人生にも付いていけなくなってしまう。何もかもが早い。

最近社会に出た大学の後輩が「何をやるにももう年を取りすぎてしまった」と呟いていたけれどそんなこといってうじうじしてると本当に年を取りすぎたときに涙もでなくなっちゃうぞと心のなかで自分に言い聞かせるよようにバカにしてしまった。
日に日に悪い性格がさらに悪くなっていく。

冷房の効きすぎた電車で夏の訪れを感じている実感自分がいる。

一昨年の夏は就活で溶けた。
みんなぽろぽろと内定が出始めて、髪を染め直したりマニキュアを塗り始めているのを横目でみながら似合わない黒髪をひっつめて毎日履歴書を書いていた。

大学のベンチでガリガリ君を食べてたとき、向こうの方から歩いてきたいかにも社交的な男女が「ほんと暑くなるまえに内定でてよかった~」なんて話ながら本校舎に消えていくのをみて消えてしまいたいと思った夏からもう2年が経つ。

去年の夏はほぼ覚えていない。
慣れない仕事に追いたてられて毎日終電帰り。ストレス解消に片っ端からネットショッピングをしていつ買ったのかもわからない品物の不在表を夜中のポストから確認するだけの日々だった。

今年の夏はどうなるんだろう。
仕事ができなさすぎて案件から外され、言われたこともろくにできない私の夏が来る。

夏が楽しみだと言えるにはそれ相応の身分が必要なんだなと何となく思ってしまった。
誰にでも平等に夏は来るのに、20年以上生きていてまだ夏に慣れない。

夏を楽しめる人になりたかった。
なれるようにしたいなって思う。